第二章

「・・・・・・・・・!!!」
俺はデビルイスと戦ったあの地で、異様な光景を見た。
それは・・・凍りついたデビルイスだった。
「・・・・・・・・・嘘だろ・・・・・・」
そんな筈は無い。俺は確かにあの時、双龍剣を持って。デビルイスを真っ二つにした筈だ。
そして、そのデビルイスから俺は黄金色に輝く角を剥ぎ取り・・・俺はそれを加工して凛にプレゼントした。
「・・・ヤツに角は・・・!」
凍りついたデビルイスを見上げる。その頭には・・・確かに角があった。
「・・・・・・嘘だろ・・・・・・ありえない!・・・・・・ハッ!!」
俺は昨晩の夢を思い出した。
あの時と・・・まるで・・・そう思った瞬間、俺はデビルイスを見上げて腹部に刺さっている武器を見た。
「・・・・・・あの夢と同じだ・・・」
俺は恐怖した。まさか、夢と同じ事になっているなんて・・・。
そこに刺さっている武器。それは双龍剣では無かった。
双影剣。あの夢に出てきている。
「・・・・・・・・・何が起こっているんだ・・・・・・」
もしや・・・・・・。
そう思った瞬間、俺の頭に凛の顔が。
もしも。
もしもフィクションの様な事が起こっているのだとしたら。
凛は・・・・・・。
俺はたまらず、その場から急ぎ離れた。
凛!!

今ほど、アイツに会いたいと思った事はない。
早く!早く戻らなくては!!
村に戻った俺は他の事を一切放って家に戻った。
「・・・ああ、Lenか。おかえり。どうだった?」
「凛!!俺を覚えているかっ!?」
「何を言い出すんだ?」
「凛、どうなんだ!!」
凛は多少困惑気味だったが。
「当たり前じゃないか。どうした?頭でも打っているのか?」
「俺たち、結婚しているんだよなっ!?」
「あ、ああ。そうだ。私達は結婚している。恥ずかしいから、そう聞くな・・・」
「ハッ!!凛!、左手の薬指を見せてくれ!指輪は!?デビルイスの黄金の角から作った指輪は!!」
「ああ。勿論、つけている。私が外すとでも思ったか?」
そう言って、凛は薬指を見せる。そこには、確かに純金の指輪が。
凛から少し拝借して指輪を見ると、俺が工房のばあちゃんに頼んだ装飾が施され、指輪の裏には俺しか知らない秘密の言葉が。
「ふぅ・・・良かった・・・良かったぁ・・・ホントに良かったよ・・・・・・」
「何のことだ?説明してくれ、Len。」
凛は完全に困惑している。
そこで俺はようやく我に返り、恥ずかしくなった。
「ああ、すまない。ちょっと長くなるんだがな・・・・・・」
それから俺はそれまでの経緯を話した。
「・・・・・・つまり、私がLenの事を忘れているかもしれないから敵から剥ぎ取りも忘れて戻ってきたと?」
「・・・・・・ま、そう言うことになるな・・・」
俺は赤面だ。ホントに恥ずかしい事をした・・・。
「ふっ、私がお前の事を忘れるとでも?」
「心配になったから帰って来たんだよっ!!」
「まぁ、それは嬉しい事だ。私の事を思ってくれている証だからな!」
「だからもう言うなよ~・・・」
「ふふっ。」
「・・・・・・まぁ笑い話はここまでにして。」
と俺は真面目に話す事にした。
「これで一つ疑問が浮かんだな。」
「何故、夢の事がそのまま現実になったのか、と言う事だな?」
「ああ。そう言うことだ。これは本当に分からない・・・・・・」
「それについてだが」と凛は意見を主張する。
「私が思うに、もしかしてこの現実は私達だけが見ている夢では無いのか?」
「そうすれば、多少の疑問は晴れる。」
「確かに、その線は考えた。だが、だとすれば何故俺たちだけなんだ!?
それに、夢なら痛みや疲れは感じない筈だが。」
「他に良い案があるとでも?」
「無いけどさ・・・・・・」
『・・・・・・・・』
とりあえず、と俺は一旦打ち切る。
「今はとにかくこの世界で普通に暮してみよう。何もしないってのも嫌だけどさ、行くあても無いのにむやみにそう行動は出来ない。」
「完全に賛成と言う訳ではないが・・・」
「俺だってそれは同じさ。できる事なら、早く元に戻りたいんでね。」
・・・さて、これからどうするべきかね・・・・・・
それとは別に・・・デビルイスもまた咬んでいる様な気がするな・・・
「・・・厄介だな・・・・・・」

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